こんにちは。『わたるの介護相談室』を運営しているわたるです。
今回のテーマは、「介護の転職で、年収をきちんと上げるにはどう動けばいいの?」という疑問です。
介護職の賃上げは、制度面でも現場の取り組みでも少しずつ進んできました。一方で、転職先を誤ると「見かけの年収」は上がっても手取りや生活のしんどさが増えることも珍しくありません。
この記事では、訪問介護・通所・小多機・特養・老健・病院など、サービス形態によって前提が変わる点を踏まえつつ、「年収を上げる」ことに絞って整理します。勤務地・資格取得の細部は別記事で補える論点もあるので、あくまで転職の意思決定に効く軸として読んでみてください。
👇この記事で扱うこと
- 年収が動く仕組み(求人票の数字と手取りのズレ)
- 職場・サービス形態による単価の違い
- 夜勤・シフト・手当設計の違い
- 資格・役割で単価を上げる分岐
- 面接・条件交渉で失敗しない見方
- 公的調査から読み取れる「業界の傾向」
すでに転職活動中の方も、これから動き出す方も、判断の材料になれば幸いです。それでは順番に見ていきましょう。
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1.年収を考えるときの全体像

介護転職で年収を語るとき、まず整理したいのは「何を軸に年収を考えるか」です。
1-1.求人票で見えやすい数字
求人票では、月給・年収レンジ・手当の有無が目立ちます。
ここで見えるのはあくまで企業側が提示する条件の枠であり、実際のシフト量(特に夜勤回数)や賞与の支給実績、残業の有無まで同じ粒度では書かれていないことが多いです。
※過去に見てきた夜勤あり求人では、夜勤回数は5回ほどを想定した金額が記載されていることが多いです。
1-2.生活に影響する「手取り」と負担
生活に直結するのは、社会保険料や税金を引いた手取りに加えて、通勤・時間外・精神的な負担の総量です。
同じ年収でも、夜勤が増える・残業が常態化する・有給が取りづらいと、体感は大きく変わります。これは「給与が悪い」というより、条件の組み合わせの問題として捉えるほうが現実に近いです。
👇結論
- 「提示額」だけで年収判断をしない。夜勤回数、手当の内訳、賞与の扱いまでセットで聞くのが安全です。
- 上げ方にはトレードオフがあり得ます。体力・家庭事情と一緒に設計するのが「失敗しない戦略」に近づきます。
2.職場・サービス形態による賃金の違い

同じ介護職でも、事業所の種類・規模・地域で、給与の組み立て方は変わります。
2-1.急性期から慢性期まで:負荷と単価のイメージ
一般論として、医療依存度が高い場面ほど観察・記録・連携の密度が上がりやすく、職場によっては処遇が厚めに感じられることがあります。
もちろん一概には言えませんが、介護職で例を挙げるなら、グループホームよりも特養のほうが給与設定が高い場合が多いです。
2-2.在宅・通所・施設入所:シフトと単価の組み方
在宅系は移動・件数・時間帯が収入に影響しやすく、施設系は夜勤手当・規模・人員配置が影響しやすい、という傾向はあります。
パートさんの求人で、訪問系は時給がいい求人を多く見ますが、実際は稼働時間のみの給与支給なので、施設系のほうが安定はしやすいと思います。
拘束時間が長くても、勤務時間のみの支給で満足できる方は訪問に向いているかもしれません。
👉結論
- サービス形態は「好み」より先に、負担の形(移動・夜勤・記録量)を比較するとミスマッチが減ります。
- パートさんの時給単価のみを比較するなら訪問系、安定なら入所系。
3.夜勤・シフト・手当設計の違い

年収を押し上げる現場では、夜勤手当・早番遅番手当・オンコールが存在感を持つことがあります。
3-1.夜勤を増やして年収を作る側
夜勤回数を増やすほど、年収の伸びやすさは出やすい一方で、体力と生活リズムのコストも上がります。
家庭の事情がある方ほど、「年収は上がるが続かない」パターンが起きやすいので、ここは理想論ではなく現実的な回数で設計したい部分です。
ポイントとしては、夜勤前提の年収を考える場合、「夜勤を月に〇回程度で、年収〇〇〇万円以上」という考え方をしておくと比較がしやすいと思います。
3-2.夜勤を抑えて総量で考える側
夜勤を抑えると、提示年収の天井は下がりやすい傾向はあります。
その代わり、副業・資格学習・家庭時間など、別の価値とトレードする選択肢になります。どちらが正しいというより、優先順位の問題です。
とにかく稼ぎたいと思って稼いでいる方は、夜勤多め+休みの日にWワークをしている方が多いように思います。
介護職はシフト制で休みもそれなりに確保されているため、この稼ぎ方は理にかなっていますよね。
👉結論
- 年収アップの近道になりやすいのは夜勤だが、続けられる回数かを先に決めるのが失敗しにくいです。
- 休みがシフトで確保されているため、一つの事業所で年収を上げようとせずWワークすることも選択肢に入れると生活が安定しやすい。
4.資格・役割で単価を上げる分岐

4-1.資格取得が給与に反映されやすい領域
介護福祉士など、事業所運営・加算要件と結びつきやすい資格は、採用面でも説明しやすい強みになりやすいです。
ただし、資格を取ったからといって自動的に同一の昇給が保証されるわけではなく、職場の規程次第です。
資格を取得されている方は、その資格が給与面に反映される給与設定なのか面接時にしっかり確認しましょう。
資格をこれから取得しようと思っている方も、資格取得に会社からの費用補助があるのか確認されるといいでしょう。
4-2.役割(リーダー・特定業務)に踏み込む側
現場リーダーやマネジメント寄りの役割は、責任と報酬がセットになることが多い一方、精神的負荷も上がりやすいです。
面接の場で聞いた話として、「役職手当はあるが、実務負荷が手当を上回る」というギャップを後から感じる方もいます。ここは業務内容の詳細まで確認したいポイントです。
👇結論
- 資格は「選考で有利」+「配属・業務の幅」につながりやすいです。
- 役職は手当だけでなく、残業・オンコール・責任範囲まで含めて比較してください。
5.公的データで見る:処遇改善加算と賃上げの傾向

転職の背景として、業界全体の賃金動向も押さえておくと安心材料になります。ここでは厚生労働省の調査を引用します。
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」(調査の対象時点は2024年9月、結果の公表は2025年3月頃)
※介護職員等処遇改善加算を取得している事業所に限った集計です(全事業所平均ではありません)。
| 指標 | 令和6年度調査で公表されたポイント(介護職員等処遇改善加算を取得している事業所、常勤の介護職員「月給」) |
|---|---|
| 平均給与額(月額) | 33万8,200円(前年同月比**+1万3,960円**、4.3%増)※賞与等の一時金を月平均換算した額を含む |
| 基本給等(月額) | 25万3,810円(同**+1万1,130円**、4.6%増)※毎月決まって支払う手当等を含む |
| 処遇改善加算の算定 | **95.5%**が算定(区分別内訳は公表表で確認) |
- 公表ページ(例):
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/index.html
5-1.三つの分析ポイント
①制度側の追い風はあるが、個人の体感と一致しないことがある(シフト・手当の設計で差が出るため)。
②「加算取得事業所」に限定した平均なので、未取得・条件不足の事業所とは温度差が出ます。
③転職者にとっては、平均より「その施設がどこに投資しているか」のほうが生活に影響します(教育体制、人員、休暇取得のしやすさなど)。
👇結論
- 業界全体の上昇は参考情報。自分の提示条件は必ず個別に検証してください。
- 処遇改善加算の取得状況も確認し、給与にしっかり反映されているか確認しましょう。
そもそも、全事業所の95%が処遇改善加算を算定している中、処遇改善加算を算定していない事業所は要注意だと個人的には思っています。
6.面接・条件交渉で失敗しない見方

6-1.聞くべき質問(年収のブレを減らす)
次は、面接・見学で聞くとブレが減りやすい論点です。
- 夜勤の想定回数、シフトの組み方(固定か変動か)
- 手当の内訳(住宅・家族・その他)と支給条件
- 賞与の回数・昨年度実績の開示範囲
- 残業の常態化有無(記録・報告体制含む)
6-2.見極めたいサイン
現場を見てきて強く感じるのは、質問に対して数字で答えられるかどうかが、運営の成熟度と相関しやすいという点です。
逆に、曖昧な言葉だけが多く、具体が続かない場合は、入職後のギャップリスクが上がりやすい傾向があります。ただし例外もあるので、最終は複数情報源で合わせてください。
👉結論
- 年収交渉は「総額」より内訳と回数前提が強いです。
- 答えられない理由まで丁寧に説明してくれる職場は、入職後のコミュニケーションも含めて安心材料になりやすいです。
まとめ:結局、年収を上げつつ失敗しないには?

内心では「転職で年収は上げたい。でも続かなかったら意味がない」と感じている方も多いでしょう。
自らの転職活動に向いている人
- 夜勤回数と手当の前提を自分で決め、それに合う職場を探せる人
- 求人票の総額ではなく、内訳と業務量で比較できる人
- 資格や役割に投資し、面接で業務内容まで確認できる人
ひとりでの転職活動に向いていない人
- とにかく提示年収だけ最大にしたいが、夜勤や負担の確認を後回しにしたい人
- 業界平均や加算の有無だけ見て、職場個別の運用差を見ない人
- 交渉や質問が苦手で、入職後のギャップを自己責任にしがちな人
→この場合はエージェント活用など、仕組み側で補うのが現実的です!
年収アップで失敗したくないなら、応募前に「条件比較」をしておくべきです
介護職の転職は、求人票の年収だけで決めると失敗しやすいです。
実際は、夜勤回数・手当・賞与実績・残業の有無・現場の負担感まで見ないと、「思ったより稼げない」「入職後にきつい」というズレが起こります。
だからこそ、転職するかまだ決めていない段階でも、介護職向けの転職サービスで条件を比較しておくことが大切です。
今より条件の良い職場があるか、 👇まずは無料でチェックしてみてください。
👇エージェントへの依頼も1社よりせめて2社で比較することもおススメです☆
さいごに
年収は大切です。同時に介護は、同じ数字でも現場のしんどさが違う仕事でもあります。
私は長く現場に関わってきましたが、後悔が少ない転職は、「いくら欲しいか」より先に「いくらまでなら夜勤できるか」「何を伸ばしたいか」が言語化できているケースが多いです。
不安は自然なので、無理に前向きに決めなくて大丈夫です。材料が揃ったタイミングでいいと思います。
この文章が、あなたの条件整理の一助になれば嬉しいです。関連して、施設選びの観点は次の記事でも触れています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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