介護職が向いてないと感じる人へ|辞める人と続けた方がいい人の違い【経験者談】

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こんにちは。「わたるの介護相談室」を運営しているわたるです。

今回のテーマは、「介護職が向いてない気がする。これって辞めたほうがいいの?」という疑問です。

介護の仕事をしていると、身体がしんどい日も、人間関係で気が重い日も、あります。そのたびに「自分には向いてないのかも」と考えてしまうのは、決して珍しくありません。

私自身も20年の介護経験の中で、同じように感じたことがあります。現場スタッフとしても、管理者として職員の相談を受ける立場でも、「向いてない」という言葉の中身は人によってかなり違うと感じてきました。

この記事では、退職の是非を決めつけるのではなく、仕事そのものが合わないのか、今の職場が合っていないのかを分ける判断軸に絞ってお伝えします。辞めたい気持ちの整理や、人間関係がきつい職場の見分け方は、すでに別記事で書いているので、ここでは繰り返しません。

👇この記事で扱うこと

  • 介護職が向いてないと感じる原因の分け方
  • 本当に介護職そのものが合わないケース
  • 今の職場が合っていないケース
  • 辞めることを検討してよいとき・すぐ辞めなくてもよいとき
  • 施設形態や職場を変える選択肢
  • 自分で判断するための具体的な手順

「向いてない」と感じている方ほど、結論を急がず、一度整理してみてください。それでは順番に見ていきましょう。

1.「向いてない」と感じる前に分けたい3つの原因

介護職が向いてないと感じるとき、中身はだいたい次の3つに分かれます。

①介護という仕事そのものが負担になっている
②今の職場のやり方・人間関係・管理が負担になっている
③一時的に消耗していて、判断力が落ちている

管理職として相談を受けてきた中でも、本人は全部を「向いてない」とひとまとめにしやすいです。ここを分けないと、次の一手を間違えやすいです。

利用者さんとの関わり自体は嫌いではないのに、チームの空気や業務の回し方で消耗しているなら、適性より環境の問題です。どの現場でも「人と関わること自体がつらい」なら、職種そのものを見直す必要があります。

③も見落とされやすいです。夜勤続きやトラブルが重なった直後は、平常時より厳しく自己評価しがちです。その状態で「向いてない」と決めつけると、判断が早すぎた、ということも現場ではよくあります。

辞めたい気持ちそのものは普通のことです。ただ、その気持ちの背景が何かは、別に整理したほうがよいです。

介護職を辞めたい…それは職場?仕事?介護歴20年の結論

👇結論

  • 「向いてない」は、仕事・職場・一時的な消耗のどれかを分けて考える。
  • ひとまとめにすると、辞める判断も続ける判断も粗くなります。

2.本当に介護職そのものが合わないケース

先に言うと、介護職そのものが合わない人は、相談の中では少数だと私は感じています。ただ、ゼロではありません。ここを曖昧にすると、無理に続けさせてしまうことにもつながるので、分けて書きます。

仕事そのものが合わないときに出やすいのは、次のような感覚です。

  • 排泄・入浴などの身体介助そのものに、慣れても強い拒否感が残る
  • 利用者さんと関わること自体がつらく、同僚の問題ではない
  • 感情労働がどうしても負担で、どの現場でも回復しにくい
  • 「誰かの生活を支える」こと自体に、価値を感じられない

介護は感情労働とも言われます。利用者対応、家族対応、看取りなど、気持ちを使う場面は避けにくい仕事です。職場を変えても、この部分は残ります。

身体面も同じです。入所施設では介護度が高くなっている傾向があり、障がい者介護でも強度行動障害のある方への支援で負担を感じて辞める人はいます。「今の施設がきついだけ」ではなく、対人援助そのものが重いと感じる場合は、職種の見直しも現実的です。

管理者として見るときのポイントは、「できない」のか「今の教え方・環境では伸びない」のかです。未経験のうちは誰でも不安です。ただ、一定期間サポートがあっても、利用者さんとの関わり自体が苦しいままなら、適性の問題として扱ったほうが本人のためになることがあります。

ここは「向いてない人はダメ」という話ではありません。合う仕事は人それぞれです。介護以外の仕事のほうが、その人の力を活かせることもあります。

👇結論

  • 身体介助や対人援助そのものが、職場を変えてもつらい場合は、職種の見直しを検討してよい。
  • 未熟さと適性は別物なので、サポートの有無もあわせて見る。

3.介護職ではなく、今の職場が合っていないケース

現場を見てきた感覚では、「向いてない」の多くは、今の職場が合っていないことです。

出やすいのは、こんな状態です。

  • 利用者さんとの時間は嫌いではないのに、退勤後に残るのは同僚や上司のストレス
  • 介護の方針が合わず、やり方を押し付けられる
  • 相談しても動いてもらえず、孤立している
  • 同じミスでも、人によって注意の強さが違う

特に介護現場では、責任者やリーダーと介護観が合わない、一部の職員のやり方が強い、という相談を多く聞いてきました。これは「介護ができない人」というより、その職場の文化とその人の働き方が噛み合っていない状態です。

管理者側から見ても、評価基準が曖昧な職場は危険です。気に入られている人は注意で終わり、そうでない人は強く指導される。これでは頑張る意味が分からなくなり、「自分は向いてない」と解釈しやすくなります。実際は、組織として崩れているサインです。

人間関係がきつい理由や、無理して続けなくてよい職場の特徴は、こちらの記事で整理しています。

介護職の人間関係がきつい理由|辞めるべき職場の特徴9選

職場の空気は、設備や法人名より管理者(現場のトップ)で決まりやすいです。施設選びで管理者を見る視点は、こちらの記事にまとめています。

介護転職で失敗しない施設の見分け方!見るべきは「管理者」だけ

👇結論

  • 利用者さんとの関わりは続けられるのに、職場の人間関係や方針で消耗しているなら、適性より環境を疑う。
  • 評価が人によって違う職場は、「自分が向いてない」と錯覚しやすい。

4.辞めることを検討してよいケース

「絶対に辞めるべき」とは言いません。ただ、続けることが本人を削っているなら、退職や転職を検討してよいと思います。

検討してよいのは、次のようなときです。

  • 睡眠、食欲、出勤前の体調など、生活の土台が崩れてきている
  • パワハラや明らかな排除があり、相談しても放置される
  • 慢性的な人手不足を前提にされ、見直しの話が出ない
  • 3年後の自分が想像できず、先輩の姿にも魅力を感じない

人手不足自体は、どこの現場でも起こり得ます。問題なのは、人がいないことではなく、いないなりの業務見直しや、採用状況の共有がないことです。先が見えない不安が続くと、「自分が足りないから回らない」と思い込みやすいです。

私の個人的な見方として、イエローカードとレッドカードの基準が人によって曖昧な施設もおすすめしにくいです。何をしたら注意で、何をしたら処分なのかが見えないと、真面目な人ほど自分を責めます。

健康が先に崩れると、次の職場を見る余裕もなくなります。介護を続けるにしても、一度離れるにしても、判断できる状態を残しておくことが大切です。

👇結論

  • 心身の回復が追いつかない、問題を相談しても動かない、先が見えない、このあたりが重なるなら退職を検討してよい。
  • 「我慢できるか」より、「この先も同じ状態が続くか」で見る。

5.すぐ辞めなくてもよいケース

一方で、今すぐ辞めなくてもよいことも多いです。向いてないと感じても、それが一時的な消耗や、まだ試していない選択肢の不足である場合があります。

すぐ辞めなくてもよいのは、次のようなときです。

  • きついが、利用者さんとの関わりにはまだ意味を感じる
  • 負担の中心が、特定の人・特定のシフト・特定の業務に偏っている
  • 管理者や信頼できる人に、まだ相談していない
  • 入所施設しか経験がなく、通所や訪問、障がい分野を見ていない
  • 忙しい時期やトラブルの直後で、平常時の自分と違う

責任感が強い人ほど、「自分が辞めれば現場が回らない」と考えます。その気持ちはわかります。ただ、相談も異動の話もせずに退職を決めると、あとから「職場を変えればよかった」となりやすいです。

現場では、部署異動や担当変更で楽になった人も見てきました。今の施設の中でも、負担の置き場所を変えられることがあります。給料だけ見て動かず、何が一番しんどいのかを先に言葉にしたほうがよいです。

👇結論

  • 意味を感じている、原因が限定的、まだ相談していない、経験の幅が狭いなら、すぐ辞めなくてもよい。
  • 忙しい直後の自己評価は、少し時間をおいて見直す。

6.施設形態や職場を変える選択肢

「介護を辞める」と「今の働き方を変える」は違います。同じ介護職でも、施設形態が変わると負担の質が変わります。

入所施設は体力面が重くなりやすく、通所は日中勤務が中心、訪問は施設のような集団の人間関係とは違う働き方です。障がい者介護は生活支援や行動支援の比重が高く、体力面は高齢者施設より軽い傾向があります。ただし、突発的な行動への対応や個別支援の難しさは別にあります。

つまり、「介護が向いてない」のではなく、「今の形態が向いてない」こともあります。高齢者と障がい者の働き方の違いは、こちらの記事で比較しています。

高齢者施設と障がい者施設の働き方の違いは?

職場を変えるなら、求人票の「アットホーム」だけで決めないことです。面接や見学で、スタッフの表情、挨拶、管理者の答え方を見たほうが失敗しにくいです。

良い介護施設の見分け方|面接・見学で見るべきポイント

条件面を見直したい場合は、年収の見え方にも注意が必要です。見かけの年収だけ上がっても、夜勤や拘束が増えてしんどくなることがあります。

介護転職で年収アップ!単価・夜勤・交渉で失敗しない実践戦略

今すぐ転職を決めなくても、自分の負担に近い働き方が他にあるかを見ておくだけでも、判断は楽になります。求人の出し方はサービスごとに違うので、情報収集の入口として使う程度で十分です。

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👇結論

  • 辞める前に、入所・通所・訪問、高齢者・障がい者など、負担の質が違う働き方を一度見る。
  • 職場を変えるなら、求人票より現場の空気と管理者を見る。

7.判断するための具体的な手順

最後に、感情のまま決めないための手順です。管理者として職員と話すときも、だいたいこの順で整理していました。

手順1. 何がしんどいかを書き出す
利用者対応、身体介助、夜勤、同僚、管理者、給料、将来の見えなさ。混ぜずに分けます。一番重いものを1つ決めてください。

手順2. 「職場が変わったら残るか」を問う
残るなら職種の問題、残らないなら環境の問題です。迷うなら、今の職場の固有の事情(特定の人、特定のルール、慢性的な放置)かどうかを見ます。

手順3. 「形態が変わったら軽くなるか」を問う
身体が限界なら通所や、見守り比重の高い現場。人間関係が固定化しているなら、規模や分野を変える。ここは想像だけでなく、求人や見学で確かめたほうがよいです。

手順4. 安全な範囲で相談する
相談できる相手がいるなら、先に話してください。管理者が機能していない場合は、無理にその場で解決しようとしなくて大丈夫です。相談しても動かない事実自体が、判断材料になります。

手順5. 平常時の自分でも同じ結論かを見る
連勤の直後、トラブルの直後、眠れない夜の結論は、少し置いてから見直します。忙しい時期を過ぎても同じ感覚が続くなら、一時的な消耗だけではない可能性が高いです。

この5つをやると、「向いてない」の中身がかなりはっきりします。はっきりしたうえで辞めるなら、それは逃げではなく整理です。続けるなら、何を変えるかの話になります。

👇結論

  • しんどさの中身を分け、職場・形態・相談・時間をおく、の順で見る。
  • 結論は、一番しんどい日の感情だけで固定しない。

まとめ:辞める人と、続けた方がいい人の違い

内心では、「向いてないなら早く辞めたほうがいいのか」「ここで耐えるべきなのか」と、両方を同時に考えている方が多いと思います。違いは、適性があるかないかより、何がつらくて、それを変える余地があるかです。

続けた方がいい人・介護の中で調整した方がいい人

  • 利用者さんとの関わりには、まだ意味を感じる人
  • つらさの中心が、今の人間関係・管理者・業務の回し方にある人
  • 入所施設など、一つの形態しか経験していない人
  • 相談や異動を、まだ試していない人

辞めること・職種の見直しを検討した方がいい人

  • 対人援助や身体介助そのものが、環境を変えてもつらい人
  • 生活の土台が崩れてきている人
  • 問題を相談しても動かず、先も見えない人
  • 3年後の自分を、今の延長で想像できない人

後者でも、介護以外へすぐ行くとは限りません。一度距離を置く、働き方を変える、情報を集めてから決める、どれも選択肢です。ひとりで求人を比較しにくい人は、転職支援を使って施設ごとの差を補う方法もあります。押し付けではありません。判断材料を増やす手段です。

さいごに

「向いてない」と感じるのは、弱いからではありません。真面目に現場と向き合っている人ほど、自分を疑います。

私は現場と管理の両方を見てきましたが、その言葉の奥には、適性の問題だけでなく、職場の問題や一時的な消耗が混ざっていることがほとんどでした。だからこそ、勢いで決めなくて大丈夫です。

不安があるのは自然です。この記事が、辞めるか続けるかを自分の言葉で整理する材料になれば幸いです。

関連して、辞めたい気持ちの整理や職場の見分け方は次の記事でも触れています。

この記事では書ききれない現場の話は、インスタでも発信しています。
https://www.instagram.com/watarukaigo/

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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