介護職を辞めたい…それは職場?仕事?介護歴20年の結論

退職届を提出している写真 介護職の悩み・本音

こんにちは「わたるの介護相談室」を運営しているわたるです。

今回の記事のテーマは「介護を辞めたいと考えたことがある方に対して、退職の考え方のポイント」についてです。

「もうきついし、限界・・・介護の仕事辞めたい…」

介護職として働いていると、誰でも一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。

実は、私自身も20年の介護経験の中で「辞めたい」と思ったことがありますし、実際に違う職場への転職も経験しています。

また、現場スタッフ時代にも管理者やマネージャーとしても多くの職員の相談を受ける中で、「辞めたい」と悩む人をたくさん見て、話も聞いてきました。

介護職を辞めたいと思うのは決して珍しいことではありませんし、悪いことでもありません。

ただし重要なのは、

  • 辞めたいと思う理由は
  • 職場を変えれば解決するのか
  • 介護自体が向いていないのか

この違いを冷静に考えることです。

この記事では、介護歴20年の現場経験と管理者視点から退職の考え方のポイントについて現場目線でお伝えしたいと思います。

👇この記事を読んでわかること

  • 介護職を辞めたいと思うのは普通なのか?その「裏側」まで解説
  • 介護職が辞めたくなる本当の理由
  • 辞めた方がいい職場の特徴
  • 退職理由は介護職?職場環境?

さらに、世間で言われる「介護職は大変」というイメージの裏側にある、意外と恵まれた介護職の現実についても、客観的なデータと私の経験を交えてお話しします。

退職に関して悩んでいる方に対して、気持ちの整理のお手伝いができるよう解説していきたいと思います。

1.介護職を辞めたいと思う「普通」とその裏側

介護職を辞めたいと思うのはとても普通のことです。ただ、辞めたいと思った時にまずこれを考えてみてください。

「介護を辞めたい」のか「今の職場を辞めたい」のか

介護という仕事は「身体的負担」「人間関係」「給料」「精神的ストレス」など、負担が大きい仕事です。

しかし、多くの人が「介護職は離職率が高い」というイメージを持っている一方で、実際のデータを見ると、介護職は他の産業と比較して必ずしも離職率が高いわけではないという現実もあります。

厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」によると、産業別の離職率は以下のようになっています 。

産業区分離職率(令和5年)
産業計15.4%
医療・福祉14.6%
宿泊業・飲食サービス業26.6%
生活関連サービス業・娯楽業28.1%

このデータを見ると、福祉だけでなく医療も含まれている点には注意が必要ですが「医療・福祉」の離職率は全産業平均を下回っており、特に「宿泊業・飲食サービス業」や「生活関連サービス業・娯楽業」といった職種と比較すると、はるかに低いことがわかります。

なんなら全産業の離職率を下回っていますね。

多くの介護職が「大変な仕事」というイメージを持つ一方で、このデータは介護職が社会全体から見ても非常に安定した職業であることを示しています。

特に、景気変動の影響を受けやすい飲食業やサービス業と比較すると、介護ニーズは今後も増加の一途を辿るため、職を失うリスクが極めて低いという大きなメリットがあります。

また、シフト制勤務が多いため、自身のライフスタイルに合わせて休みを確保しやすい職場も多く、中にはダブルワークを積極的に推奨している施設も存在します。

他の多くの職種では得がたい、介護職ならではの働き方の柔軟性とも言えるでしょう。

これは、介護職が「休みが確保されやすい職場も多い」「ダブルワークもできる」といった、安定した働き方ができる側面を持っていることを示唆しているのではと分析しています。

もちろん、職場環境によっては厳しい現実もありますが、一概に「介護職=離職率が高い」とは言えないことは理解しておく必要がありそうです。

そして、何かしらの気持ちや想いをもって「介護」という世界に飛び込んだ中「介護職は大変で辞める人が多いし、私も辞めてもしょうがないよね」と早々に判断するのはもったいないなと、私は20年現場と向き合ってきて強く感じています。

結局そこで重要になってくるのは・・・

「介護を辞めたい」のか「今の職場を辞めたい」のか

この違いです。現場を見てきた経験から言えることですが、辞めたい理由の多くは「介護」ではなく「職場環境」であることが多いと感じています。

では、実際に介護職が「辞めたい」と感じる理由にはどのようなものがあるのでしょうか?
退職を考えている皆さんはどこに当てはまりますか?

ここからは、現場経験から見えてきた
「介護職が辞めたいと感じる時の代表的な理由」を解説していきます。

2.介護職が辞めたくなる5つの理由

※退職理由ランキングなどではありません。実際に現場で見聞きした内容をもとに記載しています。

①人間関係がきつい

介護職で一番多い退職理由は、人間関係です。

しかし、これは介護職特有の理由でもなく、仕事全体の退職理由の不動の1位でもあります。

ただ、私がこれまで経験してきた中で、介護職特有の人間関係という視点で見ると、
「責任者(管理者)やリーダーと介護の方針が合わない」
「ある一部の職員が、介護のやり方や利用者への接し方を、私に押し付けてくるのに耐えられない」

といったような退職理由を多く耳にしてきました。

そこで二つ目の理由にも繋がってきます。

②職場の管理者(リーダー)と合わない

介護職の退職理由として、「管理者(リーダー)と合わない」「あの管理者の元ではこれ以上働きたくない」ということも多くなっています。

なぜこの理由が生まれるかというと、結局施設の良し悪しは管理者(現場のトップ)で決まると私は思っています。これも介護職に限ったことではないのかもしれません。

また、職員が管理者に求めることというのは、人によって違うのかもしれません。ただ、少なくとも管理者が・・

「利用者側・職員側にたって物事を考えられているか」
「職員の話を聞いてくれる体制、心構えがあるように周囲から見えるか」
「職員が知るべき情報をしっかりと伝えているか」
「管理者業務をしっかりとこなした上で、現場の業務をしているか」

管理者からこれらが抜けてしまうと、管理者に対する不満が多くなり、退職理由にも繋がっている傾向にあります。

管理者に関しては、職場選びにも大事なポイントになりますので、興味のある方は
👇の記事も読んでみてください。

③給料が安い

「給料が安い」は当然のように退職理由になっていることがあります。

ただ、私が管理者として面談してきた職員の中でも、
「給料が安い」という理由だけで退職するケースは意外と多くありませんでした。

どういうことかというと「重労働なのに、給料が安い」「ストレスが大きいのに、給料が安い」「人間関係がいいわけでもないし、給料も安い」

といったように「〇〇なのに、給料が安い」と〇〇という退職理由の本質があって、給与が安いことも決め手になっているケースが大半です。

この本質が解決できないと、実際に給料アップを目的に転職したものの「業務量がさらに多い」「休みが少ない」「人間関係が悪い」

といった理由で、数ヶ月で再び辞めてしまうケースも現場では珍しくありません。

とは言え、お金をもらうために仕事をしているわけですから、給料が大きな問題になっているのは間違いないでしょう。

④身体的にしんどい

言うまでもなく大半の介護施設では相当な体力を使うので、「身体的にしんどい」という理由で退職する方は多いです。

移乗介助、入浴介助、排泄介助(オムツ交換)、夜勤など身体的な負担が大きい仕事です。

理解したつもりで仕事を始めても、実際に働くと想像以上の負担に感じることも少なくありません。

以前は特別養護老人ホーム(特養)で特に身体的負担が大きいと言われていましたが、老人保健施設(老健)やグループホーム、介護付き有料老人ホームなども介護度が高くなっている傾向にあり、どの入所施設でも身体的負担は大きくなっているのが現状です。

障がい者介護においては、強度行動障害の方の対応に負担を感じて退職される方もいます。

さらには人手不足で負担がさらに増えています。
ロボットや見守りシステムの導入などで、身体的負担の軽減に取り組んでいる施設も数多くありますが、まだまだ「身体的にしんどい」が理由で退職される方は多いのが現状です。

⑤精神的にしんどい

「精神的にしんどい」という理由で退職される方も多いです。

介護の仕事は「感情労働」とも言われているって知ってましたか?

利用者対応、家族対応、クレーム、看取り

など、精神的に疲れる場面も多いです。
特に真面目な人ほど、「自分が頑張らないと」と思いすぎてしまう傾向があります。
精神的なしんどさはどうしても感じてしまうことでもあるので、いかにそのしんどさを緩和できるか、しんどい中でもプラスに考えられる環境があるかがポイントです。

3.辞めた方がいい職場の特徴

次のような職場なら、無理して続ける必要はないと私は思います。

慢性的な人手不足
→人手不足に対して当たり前のように説明してくる職場

管理者が現場を見ない
→「現場に入らない」ではなく、現場のことを知ろうとしない

パワハラがある
→パワハラは定義があり、よく「私がパワハラと感じたからパワハラ」と主張する方もいますが、一概にそうとも言えないので、「パワハラ」を使う時は少し注意が必要でもあります。

職員の入れ替わりが激しい
→入れ替わりが激しい原因をしっかりと理解し、その原因に納得できない場合

このような施設は、構造的に問題があることが多いです。

上記は一般的にも書かれていることが多いですが、私の個人的意見として補足すると、
「3年後の自分が思い描けない」
「会社や上司からのイエローカードとレッドカードの基準が、人によって曖昧になっている」
施設はおすすめできません。

しかし、もしあなたが今、これらの理由で「辞めたい」と感じているなら、それは介護職という安定した職業の恩恵を、今の職場で十分に受けられていないということかもしれません。

本来、介護職はもっと働きやすく、もっとやりがいを感じられるはずの仕事です。
今の職場で不満を抱え続けることは、あなたの貴重なキャリアと時間を無駄にしていることにも繋がりかねません。

皆さんが持つ介護スキルは、もっと評価され、もっと快適な環境で活かされるべきだと私は思います。

4.介護を辞める前に考えてほしいこと

ここまで退職に関する考え方や、考えてほしいポイントを説明してきました。
そこで、もし「辞めたい」と思ったら、一度だけ考えてほしいことがあります。

それは「職場を変えたら解決するか」です。

実際、私が見てきた中でも

職場を変えたら楽しく働けるようになった

同じ介護でも環境が全然違った

という人はたくさんいました。

「介護を辞めたい」のか「今の職場を辞めたい」のか
この違いはとても大きいです。

たまに「あの人がいるから辞める」という声も聞きますし、それ自体も否定はしません。
ただ、「そういう人」は結構どの職場でもいるように思います。

そこで重要なのは「あの人」「そういう人」に対して、職場や上司がどのような対応をとっているかではないでしょうか。

私の20年の経験から断言できますが、「あなたが本当に輝ける介護の職場」は必ず存在します。

人間関係が良好で、適切な評価があり、身体的・精神的負担が軽減されるような、利用者様にも職員にも優しい施設は決して少なくありません。

重要なのは、そうした「当たり」の職場を、いかに効率良く見つけ出すかです。一人で悩まず、あなたの経験とスキルを正当に評価し、理想の働き方を実現できる場所を見つけるために、専門の転職サポートを活用することも賢い選択です。

あなたの介護職としてのキャリアは、まだまだこれからです。より良い環境で、あなたの力を最大限に発揮できる場所を探しましょう。

まとめ

介護職を辞めたいと思うのは、決して珍しいことではありません。むしろ多くの介護職が一度は感じる感情です。

ただし重要なのは、その感情の背景にあるものが「介護という仕事そのもの」なのか、それとも「今の職場環境」なのかを冷静に見極めることです。

ニュースなどでは、介護業界全体の話が取り上げられることが多いのは当然です。

ただ、20年介護に携わっている身として、もっと一つ一つの現場に目線がいけば業界自体も変わるのではないかと日々思います。

この記事が、介護職の皆さんの何かの参考になれば幸いです。

コメントや質問などお気軽にお寄せください。最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m

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